ヴァルナは2000年に発見された、太陽系の中で遠方を回っている準惑星候補天体と考えられていますが、同じような天体も含めまだ実態が解明されていないのが現状です。
今回、ヴァルナがふたご座の16等星の恒星の手前を通過し、その影が日本付近を通過する掩蔽という現象を観測できることが予想され、国内の1m以上を有する公開天文台での観測が呼びかけられました。なよろ市立天文台は、特に重要なポイントとなり観測が行われました。(この影の通過する(恒星が減光する)時間等からその大きさなどを推測することが期待されます)
観測にはMIT(マサーチューセッツ工科大学)から観測者1名が来名しピリカ望遠鏡を使って北海道大学との共同研究が行われると共に、なよろ市立天文台でも職員が50cm望遠鏡と40cm望遠鏡で観測を行いました。
※MITでは当天文台の他日本において仙台市立天文台、鹿児島大学の3箇所に観測者を派遣。
当初は1月2日の1日で準備・観測の予定でしたが、北海道大学の要請によりMIT(マサーチューセッツ工科大学)が、より早くピリカ望遠鏡に取付て準備することを推奨、1月1日からMITのロックハート研究員が名寄入りすることになりました。
詳しい予測データ等については「せんだい宇宙館」様のページをご覧ください。
15時~23時まで入念に取付と現象星の導入とピント合わせ設定。作業は佐野とMITのロックハート研究員で行う。
・作業者 マサチューセッツ工科大学(MIT) ロックハート氏(高感度カメラ設定)
なよろ市立天文台 佐野 康男(1.6mピリカ望遠鏡設定)
15時30分~24時
現象星導入及び観測なよろ市立天文台ではヴァルナによる恒星の掩蔽観測は、現象時刻の直前まで晴れており、観測目的の星の導入には成功したものの、現象時間は曇りとなり観測はできませんでした。
また、国内の他の地点や,海外についても天気の良くない地点が多かったようですが、何箇所かの地点で通過、もしくは通過の可能性(恒星が減光しなかった、もしくはしなかった可能性)があるとの情報ですが、今後解析作業が行われると思われます。
・観測者 マサチューセッツ工科大学(MIT) ロックハート氏(高感度カメラ操作)
北海道大学大学院理学部 渡部 重十教授(研究指揮)
なよろ市立天文台 佐野 康男(1.6mピリカ望遠鏡操作)
村上 恭彦(50cm望遠鏡操作)
渡辺 文健(40cm望遠鏡操作)
大石 尊久(記録)
残念ながら、今回は天候により観測成功とはなりませんでしたが、国外の大学の研究員との観測が出来、非常に実りのあるものとなりました。