速報
SN2004dj in NGC2403 タイプII型
山形県の板垣さんがビッグな超新星を発見!!
 戻る

2004年7月31日、NGC2403銀河に山形県のベテラン超新星捜索者の板垣公一氏がビッグな超新星を発見しました。
発見時の明るさは11.2等と近年最大級の明るさです、板垣さんの発見は10個目の発見となりました。おめでとうございます!!(文・佐野)
2004年8月25日の画像 撮影 : 名寄市内
Bright Supernova Page
板垣さんから送っていただいた発見時の画像(60cm+CCD) 2003年の私の画像(28cm+CCD)
vsolj-news 127: bright SN 2004dj in NGC 2403

                        VSOLJ ニュース (127)

     板垣公一さんが11年ぶりの明るさの超新星2004djを発見

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

  M81の超新星1993J(最大10.7等)以来の明るさとなる超新星が発見されました。
山形県の板垣公一さんが発見されたもので、超新星2004djと命名されています。

  超新星は、きりん座の渦巻銀河NGC 2403に出現しました。おおぐま座の鼻先、
と考えたほうが導入は容易でしょう。板垣さんの測定による位置は、

  赤経   7時37分17.02秒
  赤緯 +65度35分57.8秒  (2000年分点)

で、NGC 2403の中心からおよそ東に160秒角、北に10秒角にあたります。この
銀河は、距離3Mpcほどのところにあるたいへん近傍のもので、小口径の望遠鏡
でも簡単に見ることができます。過去の画像では、超新星とほぼ同じ位置に、
18等級ほどの光点が見られますが、これはNGC2403の中にある若い星団です。

  これまでに報告されている明るさは、以下の通りです(時刻は世界時)。

5月7日      捜索時に気付かず(18等以下?)  板垣
7月31.76日  11.2等  フィルター無しCCD    板垣
8月 1.45日  11.3等: フィルター無しCCD    板垣
    1.772日 11.2等  フィルター無しCCD    板垣
    1.910日 11.5等  眼視                 Bouma (オランダ)
    2.062日 11.5等  眼視                 Hornoch (チェコ)
    2.117日 11.7等  眼視                 Biemans (ベルギー)

  若い星団と重なって見えること、発見後1日あまりの間明るさがほぼ変化な
いこと(眼視では一般にCCDより暗く見えます)から、この超新星は、大質量星
の最期であるII型の超新星、もしくは爆発後かなり日数が経っているものと思
われます。周極星なのですが赤経が現在の太陽と近く、夜間には高度が低いた
め、見逃されてきたのかもしれません。もしこの2か月くらいの間にこの銀河
を撮影された方がいらっしゃいましたら、画像のチェックをお願いします。

  発見画像は、間もなくD. BishopさんのWeb page
(http://www.rochesterastronomy.org/supernova.html)で見られるようになり
ますが、漸時、

http://www.rc.kyushu-u.ac.jp/~yamaoka/04dj/psn.jpg (発見画像)
http://www.rc.kyushu-u.ac.jp/~yamaoka/04dj/ref.jpg (出現前)

でも見られます(板垣さん提供)。

  今後のスペクトル観測や光度変化の測定が切望されます。眼視でも容易な対
象と思われますので、BishopさんのWeb pageにある比較星図等を使用して、等
級の測定と報告をしてみてはいかがでしょう。

参考文献:CBET 74 (2004 Aug 1)

2004年 8月 2日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開
  等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典
  を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、
  VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利で
  す。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が
  subscribe vsolj-news
  と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。
  なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。

このページのTOPへ